管理組合ってなに?
暮らしを支える“見えない土台”をわかりやすく解説
マンションに住み始めると必ず出てくる言葉——
「管理組合」。
でも、実際どんなことをしているのか、
なぜ必要なのかをしっかり説明できる人は多くありません。
管理組合は、マンションの暮らしを安心・安全に保つための
“見えないインフラ”のような存在 です。
この記事では、専門用語を使わずに、
「結局、管理組合って何をしているの?」
をわかりやすく解説します。
■ 管理組合とは、“住民全員で作る組織”のこと

マンションを購入すると、自動的に「区分所有者」となり、購入したその瞬間から 管理組合の組合員(メンバー) になります。
つまり、
管理組合は“誰かが勝手に作っている組織”ではなく
住民全員で構成されている組織です。
「入る・入らない」は選べません。
区分所有法という法律で“入ることになっている”のです。
■ 管理組合が担当していること(実はめちゃくちゃ多い)

マンションで当たり前にできていることの多くは、
管理組合が裏で動いているからこそ成り立っています。以下に管理組合がやるべきこと(ここでは「業務」と呼びます)の一例をしまします。
● ① 建物の維持管理
- 清掃
- 点検
- 設備の修繕
- 共用部分の管理
エレベーターが安全に動いている。
廊下が清潔。
ゴミ置き場が整っている。
これらは全て管理組合の仕事です。
● ② お金の管理
マンション運営に必要なお金は、
すべて住民から集める「管理費」と「修繕積立金」。
管理組合はこのお金を
透明性を持って管理し、適切に使う役割 を持っています。
● ③ 管理会社との契約・監督
管理会社はあくまで上記業務の “委託先”。
主役は管理組合です。
- 委託費は適正か?
- 契約内容は妥当か?
- 仕事はちゃんとされているか?
監督する立場が管理組合にあります。
● ④ マンション内のルールづくり
- ペット
- 駐輪場
- ベランダ使用
- ゴミ出し
- 禁止行為の取り決め
これらのルールのもとになるのが、
管理規約と細則。
管理組合が議論し、決めていく内容です。
● ⑤ 将来の修繕計画
10年・20年先の建物の状態を見据えて、
大規模修繕をどうするか。
積立金は足りるのか。
工事内容は適正か。
これらも管理組合の大切な使命です。
■理事会ってなに?

「理事会」は管理組合の代表チーム
上記業務の全てを組合員全員で都度決めていては大変ですよね。そこで多くのマンションでは、管理組合の実務を担う組織として「 理事会 」が設けられます。
● 理事会は、管理組合の“役員会”のようなもの
- 理事長:管理組合を代表し、業務を統括する最高責任者です。理事会や総会の招集、議長を務めるほか、管理規約に基づき契約の締結や義務違反者への勧告などを行います。
- 副理事長:理事長を補佐し、理事長が事故(病気や不在など)で職務を遂行できない場合にその職務を代行します。
- 会計:管理費や修繕積立金などの収納・保管・支出を管理します。収支予算案や決算報告書の作成、滞納状況の確認など、組合の資産管理を担います。
- 監事理事会の業務執行状況や組合の財産状況を監査する「チェック機関」です。理事会に出席して意見を述べますが、議決権は持たず、不正を発見した場合は総会で報告する義務があります。
- 理事役員(一般理事):理事会に出席し、マンション運営に関する重要事項の審議・決決を行います。防災、広報、営繕など特定の専門部会を担当することもあります。
これが理事会です。
「仕事が重そう…」と思うかもしれませんが、
実際は管理会社の担当者と話し合いながら進めることが多く、
すべてを自分達でやるわけではありません。マンション管理は煩雑で専門性の高い業務が多くあります。毎年、輪番制(順番に変わること)により理事役員が入れ替わるため、管理会社と連携しながら取り組んでいくこととなります。(少数ですが、管理会社に業務を委託しない、「自主管理」マンションも存在します)
※自治会・町内会は管理組や理事会とは全く別の組織です。地域活動や防犯防災コミュニティ形成を目的とした自主組織です。管理組合の中にはマンション単位で自治会に入会し、管理費から会費を支出している場合が多いのではないでしょうか。総会の決算資料等で確認して見てください。
なお、理事会が機能しているマンションは、資産価値が下がりにくいというデータ的・実感的な傾向さえあります。また、マンションが適切に管理されているかどうかを各自治体が評価する「管理計画認定制度」や、一般社団法人 マンション管理業協会による「マンション管理適正評価制度」により数値化し、公開されることで市場での適切な評価につながります。
■ 管理組合が機能していないマンションで起きること

現場でよく見る“危険サイン”を挙げると——
- 会計(資金管理)がぼんやりしている(管理費会計が3年連続で赤字)
- 長期修繕計画書が(5年以上)されていない(機能していない)
- 修繕積立金が全然足りていない
- 管理会社に丸投げになっている(新築〜築15年目くらいが多いです)
- 総会議案書の中身を誰も理解していない(そもそも読まないし、総会にも出席しない)
- 理事役員に任命されても理事会に出席しない (できない)人がいる(築40年以上の高経年マンションに多くみられます)
- 理事会が開催されない(年に1回決算理事会が開催されるのみ)
こうなってくると、資産価値が下がるどころか、必要な時に必要な修繕が行えなくなってくる「管理不全マンション」へ片足を突っ込んでいる状態になります。
築浅でも、高経年でもこういった問題は常に起こり得ます。
■ 管理組合を理解すると“住み心地が変わる”理由

管理組合を「自分には関係ない」と思う人も多いですが、
実際には大きく影響を受けています。
管理が整っているマンションは——
- トラブルが少ない
- 共用部がキレイ(特にみんなが使うゴミ置き場。中古で内見行く時は必ず確認すべきポイント)
- 修繕の不安が少ない(計画的に修繕を行ったり、きちんと予算立てをすることで突発的な修繕にも適宜対応)
- 住民の満足度が高い(理事会名でアンケート取得などをするとたまに、住民⇨理事会宛に「日々の管理運営にご尽力いただき感謝いたします、〜〜」という冒頭に一文添えられた回答を頂くことがあります。
逆に、管理が弱いマンションは——
- 不満が溜まりやすい(騒音、ゴミ出し、ペット、マナー)
- コミュニティが荒れやすい
- 修繕で急な負担が発生しやすい(いつまでも故障したまま、突発的な断水や、排水制限、使用制限がかかることも)
という特徴があります。
つまり、
暮らしの安定は “管理組合の安定” がつくっている。
これを知るだけで、
マンションの見え方が大きく変わります。
■ 「専門知識がないと理事はできない?」

結論としては 大丈夫です。
実務の多くは、
- 管理会社
- 専門コンサル
- 既存の資料
の力を借りながら進められます。
求められるのは知識よりも、
少しの興味と、自分ごととして捉えること。あなたは、マンションの「プロの住人」として、今の自分の住まいがどうすれば少しでも良くなるかを考えながらマンション管理と向き合っていただきたいと思います。
皆さんは、住んでいるだけでそのマンションの専門家だと思っています。
皆さんは”住民”のプロ(長年そのマンションで生活していないとわからないことはたくさんあります)なので、気負いせず積極的に立候補してください!(修繕委員などの特別委員の募集があった時なども)
また、それは決してあなた一人ではなく、同じ想いを持った住民が他にも必ずいるはずです。
■ まとめ

管理組合とは——
区分所有者全員でマンションを維持・管理運営するための組織。
そして、
- 日々の暮らし
- お金
- 将来の修繕
- 管理会社との関係
- コミュニティ
こうしたマンション生活の基盤すべてに関わっています。
管理組合を理解すると、
マンションの見え方が変わり、
暮らしの安心感もぐっと向上します。


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