カテゴリー: マンション暮らしの基礎

  • 【1時限目:マンション暮らしの基礎】マンション生活を左右する”3つの視点”とは

    【1時限目:マンション暮らしの基礎】マンション生活を左右する”3つの視点”とは

    マンション生活の満足度を左右する“3つの視点”とは?

    マンションに住んでいると、
    「最初は良いと思って買ったけど、住んでみると気になるところが出てきた」
    こんな声をよく耳にします。

    その原因の多くは、
    “3つの視点が十分に整っていない” ことにあります。

    この3つの視点を知るだけで、
    ・マンション選び
    ・管理組合の参加
    ・日々の暮らし方
    が大きく変わります。

    この記事では、その3つの視点を順番にわかりやすく解説します。


    ■ 視点①:日々の暮らし(快適性)

    マンション生活の満足度で最も実感しやすいのが、
    「日々どう感じながら暮らせているか」 という快適性です。

    ● 騒音・生活音の問題

    マンションでは住戸同士が接している関係上「生活音」が完全にゼロにはなりません。ただ、

    • 建物の構造
    • 住民同士の意識
    • 管理会社の対応
      によってトラブルの発生率は大きく変わります。

    ● ゴミ置き場・駐輪場・共用部の使われ方

    ここが雑なマンションは、
    “住民のストレスが目に見えて溜まる場所”でもあります。

    逆に整っているマンションは、住民の満足度が高く、住み心地の良さにつながる 傾向があります。中古マンションの購入を検討されている方は、内見の際にここもチェックしておくと良いです。

    ● 清掃・点検がきちんとされているか

    廊下の汚れや蜘蛛の巣、植栽の荒れ具合。
    これらは小さなことに見えて、
    「これだけでそのマンションの印象がガラッと変わる」
    というのがコンサルとしての実感です。


    ■ 視点②:お金(資産価値・修繕)

    満足度に直結するもうひとつの視点が、
    “お金の面で安心できるかどうか” です。

    ● 修繕積立金が適正かどうか

    修繕積立金の額は、マンションによって驚くほど違います。

    例えば、

    • 築浅の「低め設定」マンション
    • 大規模修繕前で「不足気味」のマンション
      など、タイプは様々。

    積立金が不足していると、
    将来「一時金徴収」や「借入」が必要になることもあるため、
    住民の不安が大きくなりやすいポイントです。

    ● 長期修繕計画の質

    計画書の内容が古かったり、
    現実的な費用になっていないマンションも存在します。

    計画の質が高いほど、
    資産価値が維持されやすいマンション になります。

    修繕積立金の設定根拠となる長期修繕計画(以下、長計)については別の回でじっくりお話したいと思います。

    正直、住んでいる方の知識、関心の低さが顕著に出てくるところだと思います。現在マンションに住んでいる方でも、長計があることは知っているけれど中身は見たことがない、読めないという方がほとんどだと思います。ここを抑えておかないと、管理会社の言いなりに修繕積立金を値上げすることになってしまいます。

    これからマンション購入される方は、購入の際に取り交わす「重要事項説明書」には長計があるかないかの記載はありますが、中身が適切かどうかまでは言及していません。長計を読み取るスキルがあれば管理不全マンション(修繕積立金の不足等により必要な修繕が行えず、住居の快適性や安全性が損なわれているマンション)やその兆候を見抜くことができます

    ● 管理会社との契約・費用

    適正な業務内容・費用で契約されているかは重要です。
    「必要以上に高い」「逆に安すぎて質が低い」
    のどちらも問題。

    住民がまったく知らないままだと、
    コスト面と品質面の両方で損をしてしまうことがあります。実務を通じて感じるのは、みなさん契約内容を知らないことが多いので一度確認してみると良いと思います。

    総会の議案書等では、「管理会社に委託しているもの」「組合が直接契約しているもの」(いわゆる組直)が記載されていますが、費用や、業務の仕様までは記載がないので契約書や業務委託仕様書などを確認し、どういう業務を委託しているのかを知るところから始めてみると良いかもしれません。


    ■ 視点③:コミュニティ(管理・ルール・住民関係)

    マンションにおいて意外と重要なのが、
    “住民同士の関係性” と “管理の協力体制” です。

    ● 管理組合の機能が働いているか

    理事会がきちんと機能しているかどうかで、
    マンション全体の雰囲気が驚くほど変わります。

    • 書類を読もうとしない
    • 参加者が毎年不足する
    • 活動が形式的で形だけ

    こうなると、
    “トラブルの火種が放置される” マンションになります。

    管理会社は理事会運営をサポートする立場ですが、あまりにも理事会開催頻度が少なすぎる(3回/年以下)と決算報告と緊急修繕の実施位に留まってしまいます。

    さらに、全ての事柄において意思決定するのは管理組合(理事会で決議→総会で承認)であるため、大きな出費を伴う修繕の実施や各種費用(管理費や修繕積立金)の値上げなどは先送りされがちです。

    (先送りを繰り返した結果として、費用の値上げ幅が大きくなったり複数の修繕を同時に行うことになります)

    ● ルールが共有されているか

    ペット・駐輪場・ベランダ・ゴミ出し…
    ルールを知らずに使われると、
    小さなストレスが積み重なって不満につながります。
    最近では、外国籍の方も増えており、ルールの周知・徹底が難しくなってきています。

    ● 「顔が見える」関係があるか

    ご近所づきあいと言うと重いですが、
    ほんの少しの挨拶や声かけがあるだけで
    トラブルの発生率は大きく違います。

    コミュニティは、
    「資産価値」さえも左右する隠れた要素 です。

    昨今の報道では、部外者が区分所有者に「なりすまし」大規模修繕を誘導する事件も発生しています。


    ■ なぜ“3つの視点”が揃うと満足度が上がるのか?

    3つの視点はまったく別のテーマに見えますが、
    実は強くリンクしています。

    • コミュニティが安定 ⇒ 管理組合が機能する
    • 管理組合が機能する ⇒ 資産価値が守られる
    • 資産価値が守られる ⇒ 日々の安心につながる

    つまり、
    1つでも欠けると、他の要素にも影響が出る のです。

    逆に言えば——
    3つが揃うと、住み心地も資産価値も高い“良いマンション”になる。

    これは私が現場で実感し続けている事実です。


    ■ あなたのマンションはどこに伸びしろがある?

    この記事を読んで、
    「うちのマンションはどこが弱いんだろう?」
    と思った方も多いはず。

    チェックポイントとしては、

    • 共用部の清掃状況
    • 修繕積立金の上昇予定
    • 長期修繕計画の更新時期
    • 理事会の開催状況
    • 住民のルール理解度

    このあたりを見るだけでも、
    おおよその現状が把握できます。


    ■ まとめ

    マンション生活の満足度を決める“3つの視点”とは——

    ① 日々の暮らし(快適性)

    ② お金(資産価値・修繕)

    ③ コミュニティ(管理・住民関係)

    この3つが整うと、
    暮らしが安定し、将来の不安もぐっと減ります。

    私が「いいマンションだなあ」と感じるのは、管理会社に任せきりではなく、理事会(管理組合)が機能しており、管理会社と対話できる理事会だと思います。

    「対話」するためには、「区分所有者」と「管理会社」間の、マンション管理に関する知識のギャップを埋めていく必要があります。

    本ブログではそんなギャップを埋めるべく、少しづつマンション管理について情報を発信していきます。

    次回は、
    管理組合の基礎を「初心者目線で」わかりやすく解説
    していきます。