【7時限目:マンション暮らしの基礎】管理規約と使用細則の違いとは?理事になったら最初に読む理由をやさしく解説

マンション暮らしの基礎

マンションに住んでいると、
「管理規約」や「使用細則」という言葉を見かけることがあります。

ただ、
「正直よく分からない」
「読まなきゃいけないのは分かるけど、後回しにしている」
という方も多いのではないでしょうか。

特に、初めて理事になったときは、
分厚い冊子を渡されて
「全部読まないとダメなのかな…」と
不安になることもあると思います。

でも、安心してください。
最初から全部を理解する必要はありません。

この記事では、
管理規約と使用細則の違いを、
「まずここだけ分かれば大丈夫」という視点で、
やさしく解説していきます。


そもそも管理規約と使用細則は何が違うのでしょうか?

管理規約とは?(マンションの「基本ルール」)

管理規約は、
マンション全体の土台となるルールです。

・管理組合って何のためにあるのか
・住んでいる人にはどんな権利や責任があるのか
・理事会や総会は何を決めるのか

こうした「大枠の考え方」が書かれています。

よく
「マンションの憲法」と表現されることがありますが、
それくらい一番上にある決まりだと考えてもらえれば十分です。

簡単に変えられない、
という点も特徴のひとつです。

専門的に言うと、区分所有法第三十条に基づき定められています。
規約を変えるためには、総会に出席した組合員及びその議決権の各4分の3以上の賛成*が必要です。
※令和7年改正


使用細則とは?(暮らしの中の「細かいルール」)

一方、使用細則は、
毎日の暮らしに関わる具体的なルールをまとめたものです。

たとえば、

  • ペットは飼っていいのか
  • ゴミはいつ、どこに出すのか
  • 工事やリフォームをするときの決まり
  • 駐輪場や駐車場の使い方

など、
「実際に住んでいて利用すること」が中心です。

管理規約が「考え方のルール」だとすると、
使用細則は
日常生活のマニュアルのような存在です。


管理規約にはどんなことが書かれているのでしょうか

マンションの基本的な考え方

管理規約には、
マンションという共同住宅を
どうやって成り立たせるか、という
基本的な考え方が書かれています。

  • 専有部・共用部の区分
  • 管理組合の目的、業務
  • 組合員の位置づけ
  • 会計について(管理費や修繕積立金の管理方法、使途)
  • 専門的知識を有する者の活用
  • 理事会について(招集手続き、議事、決議事項、業務、役員構成、任期など)
  • 総会について(招集手続き、議事、決議事項など)
  • 雑則

「何かあったときの基準」になる内容なので、
トラブルが起きたときに
自然と登場することが多い部分です。

規約の内容を記憶しておくことは難しいですが、最低限手元に置いておくようにしましょう。
通常であれば管理員さんに聞いて、管理員さんがわからなければフロント(管理会社の社員)を経由して回答してもらうのが一般的流れとは思いますが。何かあった時に参照する癖をつけると良いと思います。

また、国土交通省ではマンションの管理規約を作成・改正する際に、雛形として使用できる
「マンション標準管理規約」を公開しています。

管理規約はマンションごとに定められており、管理規約の基となる区分所有法は適宜改正されています。古いマンションでは規約の内容が現在の法律(現行法)に則していない場合があります。

現場で起きるトラブルとしては、古い規約のままだと、金融機関からの借入(例:住宅金融支援機構)や助成金の申込ができない場合があります。(標準管理規約に準拠させるよう改正が求められる場合があります)

現行法に合わせてマンション標準管理規約も随時改正されていきますので、気になる方はフロント担当者に「うちのマンションは標準管理規約に準拠していますか?」と聞いてみてください。

※令和7年度マンション標準管理規約改正は極めて重要な改正が行われました。管理規約の改訂が行われないと区分所有法に抵触する恐れがあります。みなさんのマンションでも管理規約の見直しが行われたのではないでしょうか。「マンション標準管理規約」のページ中段にパンフレットが掲載されています。本件についてもいずれ当ブログで解説していきたいと考えています。


理事会や総会は何をする場所?

管理規約には、
理事会や総会の役割も整理されています。

「これは理事会で決めること?」
「総会にかける必要があるの?」
と迷ったときのヒントが、
ここに書かれています。

ルールを知っていると、
感情的にならずに説明しやすくなります。
少しだけ触れていくと、理事会や総会には「成立要件」というものがあります。

原則、理事会は理事長が召集します。(いつも管理会社から、理事会開催案内が来ますが、管理会社はあくまで理事長の代わりに事務手続きを行なっているだけです)また、規約によって、条件を満たすと理事も召集することができます。

理事の半数以上が出席しなければ開催することができません。(定数5人の理事会であれば3人、定数6人の理事会であれば3人で理事会が成立します。)
ここでポイントなのが、「理事の半数」です。理事会役員には必ず「監事」がいます。「監事」とは、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告する人のことを言います。平たく言えば、理事会のお目付役です。なので、「理事の半数」には「監事」は含まれません。

議事については、「出席理事」の過半数で決します。(定数5人の理事会であれば3人が出席することで理事会が成立し、3人の出席者のうち2人が賛成すれば可決されます。定数7人の理事会であれば4人が出席することで理事会が成立し、4人の出席者のうち3人が賛成すれば可決されます。)

理事会を開催するだけでもなんかややこしいですね。ですが、この原理原則に基づいて管理会社は理事会をサポートしています。

現場での悩みとしては、理事が集まらないということがたまにあります。
築浅、高経年マンションかかわらず起こります。
その原因としては、

  • 関心が低い(無関心)
  • 現役で働いたり、子育てや親の介護をしているので忙しい
  • 外部区分所有者
  • 高齢
  • 仕事を調整しないと理事会に出席できない

みなさんそれぞれ事情がありますが、結構この調整に手間がかかることがあります。。。


専有部・共用部・専用使用部分の定義

前の記事で解説した
専有部・共用部・専用使用部分の定義も、
管理規約に書かれています。

修理や工事の話が出たとき、
「これは誰の責任なのか?」を判断する
とても大切なポイントです。

ですが、迷った際は自身で判断せず、管理会社へお問い合わせください。


使用細則にはどんなことが書かれているのでしょうか

暮らしに関するルール

使用細則には、
住民同士が気持ちよく暮らすための
ルールがまとめられています。

  • ペットの飼育条件
  • 駐車場や駐輪場の利用方法
  • ゴミ出しの方法

内容はマンションごとに違うため、
「だいたいどこも同じ」と考えず、
一度目を通しておくと安心です。

このルールを知っておくとトラブルの予防にもつながります。トラブルを防ぐコツについては【5時限目:暮らし・設備の実用知識】マンションで多いトラブルTOP5(予防のコツ付き)で触れています。


工事やリフォームのルール

使用細則には、
工事やリフォームに関する決まりもあります。

  • 事前に申請が必要か
  • 工事できる時間帯
  • 共用部に影響する作業の扱い

「知らなかった」では済まないこともあるため、
工事を考えたときは
必ず確認するようにしましょう。


なぜ理事になったら最初に読むといいのでしょうか

判断に迷ったときの助けになります

理事になると、
「それってルール的にどうなの?」
と聞かれる場面が出てきます。

そんなとき、
管理規約や使用細則を知っていると、
自信を持って説明しやすくなります。

日々の管理業務の中では、管理会社に対して
「それって本当にいいの?何を根拠にしているの?」という場面が出て来ます。
しかし、対管理会社だけではなく、
理事会として組合員(理事役員以外の区分所有者)に対しても説明が求められる場面があります。
管理規約は判断に迷った時の助けのみならず、説明する時の根拠にもなる、心強いものです。

反対に理事役員でなくとも、組合員になったからには一読の価値ありです。
いざという時にご自身のために活きてくるはずです。


管理会社に頼りきりにならないために

管理会社は心強い存在ですが、
最終的に判断するのは管理組合です。

ルールの考え方を少し知っているだけでも、
「全部お任せ」ではなく、
納得して判断できるようになります。


全部読まなくても大丈夫|初心者向けの読み方

まずはここだけ見てみましょう

最初は、
次のポイントだけ押さえれば十分です。

  • 修理や費用負担の考え方
  • 工事や使用の制限

細かい条文より、
全体の方向性をつかむこと、自身の生活に直結するところを意識してみてください。


迷ったときの確認の流れ

もし判断に迷ったら、
次の順番で確認すると安心です。

  1. 管理規約を見る
  2. 使用細則を見る
  3. 管理会社に相談する
  4. 必要に応じて理事会で話し合う

前回の記事の
「専有部・共用部」の考え方も、
きっと役に立つはずです。

※でも実際は、1と2を飛ばして3.管理会社に相談する方がほとんどだと思いますが、
管理会社の回答や理事会の回答に疑問を持った際は
管理規約や使用細則を参照する流れで構わないと思います。


購入前の方にも知っておいてほしいこと

内容はマンションごとに違います

管理規約や使用細則は、
マンションごとに内容が異なります。

国土交通省が提示している「標準管理規約」があるものの
新築か中古か、
規模や築年数によっても若干違います。


知っておくだけで安心感が増します

購入前に
「管理やルールの考え方」を知っておくだけで、
入居後の不安がぐっと減ります。


まとめ

管理規約と使用細則は、
役割の違う大切なルールです。

すべてを覚える必要はありませんが、
「どんなことが書いてあるのか」を知っておくと、
判断に迷いにくくなります。

とにかく、マンションには「管理規約」というルールブックがあり、
ほとんどの事柄はこの管理規約に基づいて判断、運用されています。
とっつきづらいとは思いますが、一度は手に取っていただけると、
安心したマンション生活の一助になります!

次は、
理事会や総会では何が決まっているのかを知ると、
さらに全体像が見えてきます。

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