【10時限目:マンション暮らしの基礎】マンション購入前に必ず確認したい「管理と修繕」5つのチェックポイント

マンション暮らしの基礎

価格や立地だけで決めると、後から後悔する理由

マンション購入を考えるとき、多くの人がまず気にするのは

  • 立地
  • 価格
  • 間取り
  • 築年数

だと思います。
もちろん、どれも大切です。

ただ、住み始めてから「こんなはずじゃなかった…」と感じる原因は、
意外にも「管理」や「修繕」にあることが少なくありません。

見た目がきれいでも、
中身(=管理の仕組み)がボロボロなマンションは存在します。

この記事では、
専門知識がなくても確認できる
「管理と修繕」5つのチェックポイントを、購入者(住民)目線で整理します。


なぜ「管理と修繕」を見るとマンションの将来が分かるのか

マンションは、購入した瞬間がゴールではありません。

  • 何十年も住み続ける
  • 売却や賃貸に出す可能性もある

そんな中で、
管理状態=住み心地+資産価値
と言っても過言ではありません。

管理と修繕は、

  • 日常の快適さ
  • トラブルの起きにくさ
  • 将来の出費の有無

すべてに直結しています。

皆さんは
「マンションは管理を買え」
という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
(巷では、特に中古マンション購入の格言として知られているそうです)

「マンションは管理を買え」とは、
建物そのものよりも管理の質を重視して選ぶべき
という意味です。

築年数が古くても、管理組合がきちんと機能し、
長期修繕計画に沿って修繕積立金が確保され、
大規模修繕が適切に行われているマンションは
資産価値が維持されやすく、
安心して住み続けられます。
反対に管理がずさんだと、
建物の劣化やトラブルが放置され、
将来的な修繕費の急増や資産価値の下落につながります。

つまり中古マンション選びでは、見た目や価格だけでなく、
「どのように管理されてきたか」を確認することが何より重要なのです。


チェック① 管理組合はきちんと機能しているか

まず最初に見るべきは、管理組合の状態です。

総会・理事会が形だけになっていないか

確認したいポイントは、

  • 総会が毎年きちんと開かれているか
  • 議事録が残っているか

議事録が用意されていない、
「とりあえず開催しているだけ」
という場合は要注意というか論外です。

👉 管理組合の役割、理事会・総会については
【2時限目:マンション暮らしの基礎】初めてのマンション管理組合
【8時限目:マンション暮らしの基礎】理事会・総会って何を決めている?議題と流れを住民目線で解説
記事で詳しく解説しています。

「重要事項調査報告書」や「重要事項説明」の一部として
購入検討者や利害関係者に対して情報提供することが一般的です。
議事録を見る方法としては、
・不動産仲介会社に依頼する
⇨不動産仲介担当者→売主→管理会社の順で請求していきます。
・閲覧請求
⇨区分所有法およびマンションの管理規約に基づき、購入予定者(利害関係人)は書面で理事長に閲覧請求する権利があります。

上記請求については区分所有法第四十二条第5項および、
第三十三条2項により定められています。

大抵の場合管理会社を通じて手配されることが多いです。
出てこない場合や、提出までに相当な時間を要する場合は
管理業務が滞っている可能性があります。

ここでポイントとなるのが、理事会の開催頻度です。
マンションでは年に1度総会を開催することが義務付けられています。
【8時限目:マンション暮らしの基礎】理事会・総会って何を決めている?議題と流れを住民目線で解説
総会を開催する前に、
理事会に決算報告をする必要があります。
なのでどのマンションでも毎年、
最低1回は理事会と通常総会が開催されます。
ただし、これは法に基づいた最低限の開催回数であり、
形だけの理事会・総会がこれに該当します。

私の個人的な感覚だと、
・活発:毎月開催(12回/年)
・標準的:隔月開催(6回/年)
・少なめ:四半期開催(4回/年)・・・築15年以下のマンションに多い
・少ない:四半期以下
年6回以上理事会開催が理想的だと思います。
四半期開催の組合は議事内容をよく確認する必要があります。


管理会社任せになっていないか

「住民と管理会社のバランスが取れているか」が大切であり、

  • すべて管理会社任せ
  • 住民がまったく関わっていない

状態も健全とは言えません。

議事録をみると、理事役員・住民の関わり方が見えてきます。

ただし、議事録の書き方は個人差が出ます。
理事会・総会の議事録作成は管理会社が代筆しますが、
理事会を主語として記述します。
議事録はあくまで、議題に対し結論を書けば事足りますが、
往々にして、’理事会として何故そう判断したのか’を
問われることが多くあります。
なので私は、議論の途中経過を含めて
記録(速記録と議事録の中間)することが多いです。

Aという議題について、理事会としては〇〇の理由で△△と判断した。また、管理会社へCの件について確認するよう依頼した

というような、書きっぷりになります。
(あくまで’一担当者としてはこう書いてますよ’程度に留めておいてください)

チェック② 管理規約等は整理されているか

次に確認したいのが、管理規約と使用細則です。

古すぎる規約が放置されていないか

  • 何十年も改定されていない
  • 今の生活スタイルに合っていない

こうした規約は、
トラブルの火種になりがちです。

規約が改定された際に、
一式新しいものが紙で配付されるわけではないので要注意です。
(管理会社によりますが)
管理室では改定された履歴が積み上がっていると思います。

2026年4月から改正区分所有法が施行されます。
改正内容はほぼ全てのマンションの管理規約を
改訂する必要がある内容となっています。
ここでの詳しい説明は避けますが、
総会成立要件・決議要件などにも関わっているため、
直近の総会で管理規約の改訂が行われているかどうかを
確認することが一つのポイントとなります。


生活ルールが実態に合っているか

特にチェックしたいのは、使用細則における

  • ペットの飼育ルール
  • 駐輪・駐車ルール
  • リフォーム・工事のルール

👉 詳しくは
管理規約と使用細則の違いとは?」の記事で解説しています。


チェック③ 修繕積立金は将来に足りる計画か

「マンション購入時の修繕積立金が安い=お得」
と思っていませんか?

実は、これはよくある勘違いです。

ですが悲しいことにデベロッパー側
(マンションを建設し、販売する会社)は、
マンション販売時の修繕積立金を安く見せることで、
お得感を演出しているのが実情です。

国土交通省では、新築時の設定額の低さを起因として、
購入後数年で修繕積立金徴収額が大幅に値上げされる実情を鑑みて
令和6年に
「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」
「長期修繕計画作成ガイドライン」
を発表し、新築時の修繕積立金の徴収額の下限値や、
引き上げ額の上限を示しています。

こちらについては中級〜上級者向けになるので別途、
記事を作成し、解説していきたいと思います。

「安い=良い」ではない理由

修繕積立金が安すぎると、

  • 将来、一時金を請求される
    ⇨大規模修繕工事時に不足してれば、
    数十万〜百万円/戸徴収する場合があります。
  • 将来、管理組合として修繕積立の借入が必要となる
    ⇨’借金しているマンション’として売買価格に
    影響が出る可能性があります。(資産価値の低下)
  • 修繕積立金の大幅な値上げが実施される
    ⇨家計のキャッシュフローに大打撃!
  • 修繕の質が下がる
    ⇨資金不足により必要な修繕が行えない。(資産価値の低下)

といったリスクがあります。


長期修繕計画と金額がつながっているか

重要なのは、

  • 長期修繕計画があるか
  • その内容と積立金が合っているか

👉 修繕積立金については
「修繕積立はどう決まる?」の記事で詳しく解説しています。

総会の議案書には決算資料と予算案
(以下、まとめて決算資料)が添付されています。
長期修繕計画書の数字と決算資料の数字を見比べて、
予定どおり推移しているか確認しましょう。

なお、以下の理由により長期修繕計画と
ピッタリ合うわけではないので、
大体合ってるかどうかくらいで構いません。
・長期修繕計画は5〜7年で見直しを行われることが推奨されています。
(毎年見直す性質のものではありません)
・長期修繕計画上で予定されている工事をその年に必ず行う必要はありません。
あくまで目安であり、
点検結果や、調査を行い実施時期を決定します。


チェック④ 長期修繕計画は現実的に作られているか

長期修繕計画は、
マンションの将来設計図です。

計画が「絵に描いた餅」になっていないか

確認したいのは、

  • 定期的に見直されているか
  • 建物の規模・築年数に合っているか

計画が古いままだと、
現実とのズレが大きくなります。

見直しの周期は概ね5年〜7年程度が理想的です。

過去の記事と重複しますが、
すべてを確認するのは非常に困難なので、
これからマンションを購入される方も、
現に住んでいる方も
「当マンションは、国土交通省が公表している
『長期修繕計画標準様式』に準拠した
長期修繕計画書となっていますか?」
最低限ここだけは確認しておきましょう。

厳しい言い方ですが、長期修繕計画がないマンションは論外です。
購入検討から外しましょう。事業計画のない企業と同じです。
10年以上更新されていないマンションも管理組合が機能していない可能性が高いので
候補からはずすのが無難です。


大規模修繕の履歴・予定を確認する

  • 1回目の大規模修繕は実施済みか
  • 次回はいつ予定されているか

👉 今後、大規模修繕工事について記事を作成して行く予定です。
私の専門でもあるので初級〜中級〜上級と分けて
気合い入れて作成していきたいと思います。


チェック⑤ 管理会社との関係は健全か

最後は、管理会社との関係性です。

管理会社との関係、
管理会社の業務内容については
過去の記事をご参照ください。
【4時限目:マンション暮らしの基礎】管理会社って何をしているの?住民が知るべき役割まとめ

業務内容と管理費は見合っているか

  • 管理費が安すぎないか
  • 何をどこまでやってくれるのか

価格だけで判断するのは危険です。

管理費が安い=お得!ではありません。

管理人の勤務日数・時間によっても費用に差が出てきますし、
管理業務を管理会社へ委託しているか、
組直(管理組合が直接、清掃業者や保守業者へ
業務を直接発注すること)かどうかで
費用が変わってきます。


住民・理事との距離感は適切か

  • 相談しやすいか
  • 提案をしてくれるか

「言われたことだけやる管理会社」より、
一緒に考えてくれる管理会社のほうが安心です。


内覧・資料請求時のチェックポイント

不動産会社に、次の点を聞いてみましょう。

  • 管理規約・使用細則は見られますか
  • 総会議事録はありますか
  • 長期修繕計画はありますか
  • 修繕積立金の推移はどうなっていますか

これだけでも、
見えてくるものが大きく変わります。

管理規約や使用細則なんて、見てもわからない!と思うので、
それぞれどこを見れば良いのかというのは
また別の記事で解説したいと思います。


まとめ|購入前に「管理と修繕」を見れば失敗しにくくなる

マンション購入で失敗しないために大切なのは、

「建物」ではなく「管理」を知ること

です。

管理と修繕は、
専門家でなくても
ポイントを知っていれば判断できます。

ポイントを押さえて、
少なくとも「買っちゃいけないマンション」を
避けられるようにしましょう!

このブログでは、
マンション暮らしを「知らずに損しない」ための基礎知識を、
これからも分かりやすく発信していきます。

ぜひ、他の記事も参考にしてみてください。

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